前回は脳科学者である茂木健一郎さんが考える「なぜ日本人は英語が苦手なのか?」の理由について紹介しました。
日本人の「揚げ足取り」や「完璧主義」の性質がスピーキングの上達の邪魔になっているということでしたが、せっかく基礎英語があるのにもったいないですよね。
ですので今回は
スピーキングを上達させる簡単なコツとヒントになる本を紹介
しようと思います。
参考→「日本人はなぜ英語が苦手?脳科学茂木健一郎が語る理由や克服法」
英語の苦手意識が強すぎる日本人
先ほども言ったように、日本人は特に英語に対する苦手意識が強いですよね。
間違った英語だとニュアンスや全く意味が変わってしまう場合もあるので、慎重になるのはわかります。
が、間違うことを恐れてボソボソと小さい声で言ったり、はたまた何も言わなかったりすると、それこそ何も伝わりません!!
街中でも、テレビでもいいですが、日本語が間違っているかもしれないからとボソボソ小さい声で言ったり、恥ずかしがって話さない外国人をみたことがありますか?
まあ絶対ないとは言えませんが…
ほとんどいないと思います。
私も海外留学の経験があるんですが、同じ留学生で文章が間違っていて全くこっちに通じなくてもかなり堂々としていましたよ。
むしろ「わからないあなたが悪い」的な態度の人もいたくらいです。
そのため息交じりの態度にはイラッとしましたけどね。
「何ゆってんのかわかんねーよ!!」と心の中で叫んでました。
そこまで図太くはならなくてもいいとは思うんですが、
「わからなかったら聞いてくるでしょう」
くらいの軽い気持ちで話すのがベストです。
「ん?」と思ったら相手も聞いてきてくれるはずです。
説明不足だった部分や間違って伝わった部分は会話をしながら埋めていけば良いんです。
外国人だって間違える
先ほども言ったように、外国人も間違えます。
それも堂々と、自信たっぷりに。
間違えていてもなぜ外国人は堂々としているのでしょうか。
その理由は非英語圏の外国人たちが
「母国語じゃないんだから間違って当然」
と思って喋っているからなんです。
これはなかなか日本人の感覚にはないのではないでしょうか。
脳科学の茂木先生も言っていましたが、日本人って本当に完璧主義なんですよね。
本当なら完璧にしてから外に出したい(外国人と話したい)という思いがあるけど、完璧にするには外国人と話さなくてはいけないというジレンマがあって、なかなかその壁を越えることができません。
逆に外国人は失敗することを恐れないのでコミュニケーションの機会も増え、間違いながらも正しい英語を身につけていくんです。
外国人のように「間違って当たり前」と思って気楽にどんどん積極的に外国人と話すことがスピーキングを上達させる一番の方法です。
残念な英語ってどんな英語?
ある程度基礎英語を習得していると「惜しい!」「ちょっとだけ残念」な英語を話してしまいがちです。
ニュアンスが違っていたり、単語の使い方や、勘違いが原因で起こるんですが…
でも大丈夫です。心配ありません。
なぜなら残念な間違いをするのは日本人だけではありませんし、外国人もネイティブの人だって間違って使っている英語があるんです。
そこで今回紹介しようと思うのがこの本。
「残念な英語 間違うのは日本人だけじゃない 」(光文社新書)
いろんな残念な英語を紹介しているのがこの「残念な英語 間違うのは日本人だけじゃない」という本です。
著者のデイビットさんは日本で30年の英語指導の実績を持っている方です。
この本では日本人に見られる残念英語から、日本以外の非英語圏の残念英語、さらにはネイティブの人が使う残念英語まで紹介しています。
ネイティブの間違いってどんなだろう…と気にはなりますが、ここでは「日本人の残念英語」から「直訳過ぎて残念」な英語を紹介していきますね。
例1 「人前で話すのが苦手です」
「人前で話すのが苦手です」と英語でどう言えばいいでしょうか。
そのまま直訳だと、
△ I don’t like speak in front of people.
と思いつくかもしれませんが、この文章はどうでしょうか。
このままでもある程度意味は通じるんですが、「話すことが嫌いだ」というネガティブな印象を与えてしまいます。
「人前で話すのが苦手だ」と伝えたい場合、ネイティブの人は
〇 I get stage fright.
「fright=強い恐怖」という意味なので、舞台を表す”stage”と合わせて「stage fright=舞台恐怖症、あがり症、緊張しい」という意味になります。
「get stage fright=あがり症である」という意味になり、人前で話すのが得意ではないという気持ちが伝わります。
“get”の代わりにhave”使うこともできますよ。
例2 「携帯を忘れちゃった」
これはよく使う表現なのではないでしょうか。
私はよくあっちこっちに忘れてきてしまって「あっ」ってなんています。
そのまま直訳で英語を考えると…
△ I forgot to bring my cell phone with me.
こんな文章が頭に浮かびませんでしたか?
日本人は「~を持ってくるのを忘れてしまった」と言いたい時、こういった表現をしてしまいがちですが、この表現ではただ忘れたという事実を述べているように聞こえてしまいます。
ネイティブの人は「~を忘れた」という表現をする時よく「I left my~」という表現を使います。
“left”は”leave”の過去形で「~を置きっぱなしにする」「~を置いて立ち去る」という意味。
〇 I left my cell phone at home.
この表現で「携帯を家に置いてきた」つまり「携帯を持ってくるのを忘れてしまった」とスッキリ言う事ができます。
忘れ物をした際にはもちろん「I forgot to bring~」でも通じますが、「I left ~」の方が「忘れてしまった」というニュアンスも入ってより生きた英語になりますよ。
例3 「靴がダメになってしまった」
ダメになったってことは壊れたんだから…
✖ My shoes are broken.
と考えてしまうかもしれませんが、これは間違いです。
“broke”は車や機械が故障して動かなくなった時に「This machine is broken(機械が故障している)」というように使います。
車や機械の他にも、財布や関節部がダメになった時にも”broke”は使えます。
洋服などの消耗品がダメになって使い物にならないという時は「worn out」という表現を使います。
“worn”は「wear=身につける」の過去分詞系で、「worn out=使い古した、すり切れた」という意味になります。
なので靴がダメになった場合の表現は
〇 My shoes are worn out.
ちなみに”worn”には人間が「疲れ切った」という意味もあり、「I’m worn out.」と言ったら、心身ともにへとへとだ、というニュアンスで使うこともできます。
まとめ
今回はスピーキングを上達させる簡単なコツとヒントになる本を紹介してきましたがいかがでしたでしょうか?
基礎英語はできていてある程度話せても、間違いを恐れて上手く話せないという人が日本人には非常に多くいますが、ここは外国人を見習って、
「母国語じゃないんだから間違って当たり前」
と割り切って勢いよく話してみてください。
相手の外国人もボソボソ小さい声で言われるよりも、間違っていても聞こえるようにはっきり言ってくれた方が嬉しいと思います。
カラオケでも「音痴だから…」と歌わない人より、歌が下手でも楽しく歌っている人の方が気持ち良いですよね。
そんな感じと思ってみてください。
「残念な英語 間違うのは日本人だけじゃない」という本には、日本人がよく使ってしまう残念な英語が載っていて、そのポイントを押さえてコミュニケーションを取ればスピーキングの上達にもつながります。
載っている例文は日本人には「あるある」なものばかりなので、参考にすれば外国人との会話で役立つこと間違いなしです。
間違ってなんぼで、どんどん外国人と会話しいってください。
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